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資金調達は社長の仕事じゃない!?プロが語る銀行の融資事情
今回の記事は、ビジネスの最前線で活躍する経営者や幹部の方々をご紹介する、当サイトのインタビューコーナーの記事です。
今回登場いただく経営者は、福岡でコンサルタント業を営む株式会社サムライアライアンス 代表取締役 青野充朗社長(以下、「青野社長」と略します。)です。
青野社長の経歴
経営コンサルタントというと、お堅いイメージがありますが、上の写真を見てわかる通り、キュートな笑顔のとっても気さくな方です。
1975年生まれの42歳、起業して9年目のバリバリの経営戦略コンサルタントです。
青野社長のコンサル分野は、主に企業の経営戦略を構築し、その戦略を遂行するうえで切り離せない、資金調達計画の構築や銀行との折衝などを得意分野とされています。
青野社長。
いまではバリバリの経営戦略コンサルタントとしてご活躍中ですが、30代前半まではドン底人生を送っておられました。
「いまだから言えますが・・・」とお話しいただいたエピソードをここでは簡単にご紹介します。
実は青野社長、起業される前の30代前半はパチプロだったのです(笑)
約4年ほどパチンコだけで生活をしていたという、とんでもない経歴をお持ちのコンサルタントなのです。
そんな青野社長の転落人生に興味がある方は下記のリンクから詳細記事をご覧ください。
参考:敏腕コンサルタントのドン底時代のお話/サムライアライアンス:青野社長
青野社長の取扱説明書
コンサルタントというと、どの経営者も感じることですが、「どう使ったらいいの?」という疑問がわきます。
そこでサムライアライアンスでは、どんな顧問先(クライアント)が、業績を伸ばしているのかを青野社長にお聞きしました。
質問をすると意外な答えが返ってきました。
『(青野社長を)悪者に仕立て上げている社長は業績を伸ばしている』
悪者に仕立て上げる?と疑問に感じましたが、その理由をお聞きすると納得できました。
会社の方向性や戦略などを決定する際に、社長と幹部・現場(プレイヤー)の間には必ず軋轢が生じます。その際に、社長が決めたことと言ってしまえば、関係に溝ができてしまいます。
そこで「青野がダメと言っている」「青野がやれと言っている」「青野がマネジメントするから」など、外部のコンサルタントである青野社長を悪者に仕立て上げることで、会社内部の関係には溝ができず、スムーズな経営戦略遂行ができるようになるそうです。
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コンサルタントから見た金融機関の融資状況
中小企業の社長にとって、銀行からの資金調達は大変興味ある分野だと思います。
青野社長に、最近の金融機関の融資状況をおたずねしました。
創業系の融資状況
- 政策金融公庫はかなり前向き
- 全体的に活発に動いている
- 運転資金はMAX300万円ほど
貸し渋りなどの積極性
- 貸し渋りは全く感じない
- 低金利のため貸さないと銀行の利益がでない
- 金融庁から貸し出しを強化する指示がでている
これが青野社長の真骨頂!銀行からの資金調達の秘訣とは?
青野社長は、2年前にベンチャーキャピタル(投資会社)を設立された関係もあり、資金を貸す側が企業のどこをみているかがわかるようになられたそうです。
そこで青野社長の銀行との交渉術、資金調達でポイントとなるところ・抑えておきたいところをお教えいただきました。
県内ナンバーワン地銀のプロパー融資をとりつける
青野社長は、まず銀行と交渉に入る際、最初に取り組むのが、県内ナンバーワン地銀からのプロパー融資を取り付けるところから始めるそうです。
なぜかというと、「県内ナンバーワン地銀」がプロパー融資を出しているというだけで、他行からすると信用になり、融資が出しやすくなる。いわばプロパー融資が、通行手形のような存在になるのです。
中小企業の経営者にとっては、プロパー融資なんて雲の上の存在で、頭から交渉しようという気持ちがないと思います。
しかし、中小企業でもしっかりとした事業計画があり、戦略がイメージできるものであれば、プロパー融資は可能だと青野社長はおっしゃいます。
参考:プロパー融資とはなにか?通常の融資と何が違うの?
参考:中小企業は「プロパー融資」という通行手形を手に入れよ
銀行からの資金調達交渉はプロに任せるべき
青野社長は、銀行からの資金調達は社長の仕事ではないとキッパリ言われます。
経営者は、その分野のプロフェッショナルです。会計には会計の専門家、労務には労務の専門家、法律には法律の専門家がいて、資金調達にも同様に青野社長のような専門家が存在するのです。
私もいろんな経営者を見てきましたが、ほとんどの方は銀行との交渉は自分でやるという人ばかりです。
銀行との資金調達交渉をやってくれるプロがいることを知らない人も多いかと思います。
実際に自分で銀行と交渉をやられた方はわかるかと思いますが、電話がかかってきたり、数字の説明を迫られたり、追加書類を要求されたり、いろいろ大変ですよね。
私だったら喜んで青野社長にお願いすると思います(笑)
参考:銀行からの資金調達は社長の仕事じゃない。社長は社長の得意分野の仕事をして欲しい
自己資本が赤字でも融資を引き出せる可能性はある
最初に言っておきます。
自己資本が赤字(債務超過)の状態では、融資審査のステージにも上りません。
いわゆる門前払いということです。
しかしそんな状態の会社でも、青野社長は何度も審査のステージにあげ、融資を引き出した経験を持たれています。
可能性がある状態とは、役員が会社に貸し付けを行っている場合です(役員借入金がある場合)
通常、決算書上は負債として取り扱いますが、役員からの借入を返済不要の株式とすることで、自己資本が増加します。
この手法には青野社長のノウハウが詰め込まれているので、これ以上の詳しい話はできませんが、自己資本が赤字でも諦めずにやれることはあるということです。
参考:2期連続赤字で債務超過なのに1億円調達!!テクニカルな資金調達の話
参考:不可能を可能にするウルトラCの融資交渉術!綿密な経営戦略が融資を可能にした小売店のケース
営業利益が赤字の場合は、審査で落ちる
決算書上ではあまり脚光を浴びない営業利益ですが、実は重要なポジションなのです。
銀行への返済原資は、経常利益ではなく、営業利益となります。
その営業利益が赤字の場合、返済原資が確保できていない状態と等しいため、融資ができないのです。
リスケの交渉はせずに、追加融資の交渉をする
リスケをすると次の融資がとれるようになるまで時間がかかります。
リスケをしてビジネスのスピードを落とすよりは、追加融資を取り組むと同時に戦略を見直して乗り越えたほうが良いと言われます。
ちゃんと約定通り返済していれば、交渉はできるので、リスケの前に追加融資を検討すべきですね。
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最後に
今回インタビューをさせていただいて、同じコンサルタントとして、共感する点、そして何よりも尊敬すべき点がたくさんありました。
青野社長の素晴らしいところは、その交渉力と数字的センス、そして戦略脳です。
戦略的な脳からあふれる経営戦略を、その数字的センスで事業計画という形にし、その交渉力で銀行からの融資を勝ち取る。
すべてが論理的(ロジカル)に考えられ、聞いててイメージができる具体性があるのです。
同じコンサルタントとは言いましたが、分野が違うので、私が青野社長に依頼したいと思わせるほど、素晴らしい方でした。
今後も、定期的に青野社長のインタビューを掲載していきたいと考えています。
会社概要
会社名:株式会社サムライアライアンス
業種:経営戦略コンサルタント
住所:福岡市中央区天神一丁目15番5号 天神明治通ビル2F
設立:2015年12月
HP:http://www.style-ds.jp/
社名の由来
「サムライ」
・我々は主君に仕える軍師
・企業で言えば社長を支える右腕
主君が目指す目的のために、あらゆる策を講じ、あらゆる手段を考え、目的の実行のために尽力していく。そんな忠実な「サムライ」でありたい。
「アライアンス」
必ずしも主従関係だけではなく、時には対等になんでも意見し論議ができるパートナーでもありたい。そんな同盟という意味もこめた「アライアンス」です。
また会社の目指す目的には、エキスパートのチカラは必要不可欠。
弁護士・税理士・司法書士・中小企業診断士・社会保険労務士などの「サムライ業」エキスパートとの提携関係「アライアンス」を構築しています。
企業理念
顧客利益の徹底的な追求
常に目指すのはパートナー企業の向こう側にあるユーザーの「利益の追求」
それが企業の存在意義だと考えてます。
企業価値の創出のために、あらゆる面からサポートをしていきます
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