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「利を求めるのなら、まず害を除くべきである」
この言葉はモンゴル帝国の大宰相・耶律楚材(やりつそざい)の言葉です。
正確には、「一利を興すのは、一害を除くに如かず。一事を生かすのは、一事を減らすに如かず。」ですが、よくわからないので解釈は下記のようになるそうです。
利を求めるのなら、利を増やすよりもまず害を除くべきである。
何か事を生かそうと思ったら、生かす前に事を一つ減らすべきである。
耶律楚材は、利益を増やすよりも先に”害”を除くべきであり、新しいことを始める前に先に一つ減らすべきであると言っています。
ここで言う害とは、集中をおびやかす考えや物事のことをいい、利益を増やす前にこれらを捨てなさいということです。
勝ち残る企業の原理原則は「選択と集中」
「選択と集中」
簡単なようで難しい言葉です。
中小企業の経営者は特に「選択と集中」ができません。できないから利益が出ない会社が多いのです。中小企業は大企業に比べれば吹けば飛ぶような存在ですから、大企業のように経営資源は潤沢ではなく、極わずかな経営資源を使って勝って行かなれければなりません。
例えば、100個ある取扱商品を選択して5個に集中しなさいと言われたら、あなたはどう思うでしょうか?
おそらく怖くてなかなか決断ができないと思います。
100個で構成していた売上が5個分の売上になるわけですから、怖くて踏ん切りがつかないのが普通です。
しかし、中小企業の経営者はここを工夫して、知恵を使って絞らなければなりません。
経営資源は無限ではありません。
経営資源を100個に分散するより、5個に集中して研ぎ澄ませたほうが勝てるようになるのです。
大手弁当チェーンに勝つための戦略
以前インタビューをさせていただいた福岡を中心に30店舗以上を展開する「博多とよ唐亭」ではなんとメニューが2つ。
季節商品が入ることもあるが基本、唐揚げ弁当とテリマヨ唐揚げ弁当の2つだけで店舗展開を始め、いまでは大手弁当チェーン店の隣に出店しても利益が出るビジネスに発展しています。
その成功の秘訣は、選択と集中によって品目を絞ったことにあります。
多品目の弁当で店舗展開となると、オペレーションやスタッフ教育、在庫管理など様々なコストがかかるため、とても大手に太刀打ちできません。そこで品目を極限まで絞り込み「唐揚げ」一本での勝負をしたのです。
限りある経営資源を一点に集中させた成功事例となっています。
参考:「100店舗やる」ためのビジネスモデルを考え抜いた/博多とよ唐亭:豊永社長
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ダボハゼ経営ではなくメリハリ経営を
なんにでも食いつくダボハゼ経営では勝ち残る企業を創ることはできない。勝ち残る企業を創るにはダボハゼ経営ではなくメリハリ経営でなくてはならない。
この言葉は【経営者が絶対に「するべきこと」「してはいけないこと」/新将命】の中で紹介されています。
※優先順位06:「押すべきボタンを押せ」 より
ダボハゼ経営とは「あれも、これも」と計画も戦略もなく思いつきで事業を広げることをいい、メリハリ経営とは「あれか、これか」と経営資源を「選択と集中」で配分することをいいます。
新将命先生は、メリハリ経営でなくてはならないとおっしゃっています。
経営資源というものは自ずから限度がある。
ビルドをしようと思えば、そこにはスクラップも必要なのである。