ある日突然、販売用の土地が差押えされる
今回の記事は資金繰りについてです。
この記事を特に読んでいただきたい方は「現在、税務署(役所)から督促状を受け取っている人」「税金を滞納している又は滞納しそうになっている人」です。
これは私が会計事務所にいたころに経験した話です。
S工務店の社長は、日々仕事に追われ、いつ行っても社長の机の上は書類だらけでした。
小さな工務店だったため、会社に届くすべての書類はいったんは社長の机の上に置かれるシステムです。
現場が遠く、会社に帰らない日が続くと、書類の山はさらに高くなります。
消費税を滞納しているのは知っていましたが、督促状を無視しているとは知りませんでした。
と言うより、当時、若かった私には督促状を無視するなんて考えがありませんでした。
こんなシステムだったので、届いた督促状は書類の山の中にうもれていきます。
ある日、朝一番で社長から電話があり、販売用の土地が差押えされたと連絡がありました。
社長が差押えされたことを知ったのは、銀行から電話があって初めて知ったのです。
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差押えは税務署にとっては最終判断だった
私は社長と一緒に税務署へ行き、事情を説明しました。
税務署の担当者は冷淡でした。
いくら社長と私が頭を下げても、ウンとは言いません。
「私どもも鬼ではありません。滞納されて連絡をいただければ、相談に乗ります。」
「しかし、無視されると相談の乗りようもないのです。」
正論です。
どうあがいても無理なものは無理、税務署にとっては最終判断なのです。
しかし差押えを解除してもらわないと、銀行へ一括返済しなければならなくなります。
まずは差押えを解いてもらうために、滞納分を一括納付の手続きを行いました。
もちろん現金はないので、一括納付は手形を発行しました。
これで一連の流れは終息し、一括返済はしなくてよくなったのです。
当然の流れですが、その後の銀行の対応は冷たくなりました。
ことあるごとに短期資金を出してくれていたのが、突然、季節資金は出せなくなったと塩対応。(この銀行の対応も当然なのですが・・・)
こんな状態で資金繰りが回るはずもなく、結果、S工務店は倒産しました。
倒産の引き金となったのは、この差押えからだったと言えます。
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S工務店から学ぶ教訓まとめ
この経験からわたしは次の教訓をみなさんに伝えたいのです。
会社の書類は毎日かならず目を通す
書類整理ができる社長は伸びます。
逆にいうと書類整理すら出来ない社長は、社長をすべきではないと言えます。
整理整頓ができない会社は潰れる
わたしは仕事柄、いろんな会社を見てきました。
共通するのは、整理整頓ができている会社は儲かっているのです。
これも逆にいえば、整理整頓ができない会社は儲かっていないです。
一つ一つのタスク(やるべきこと)をこなせる社長は伸びる
タスクがこなせる社長は自己管理ができています。
自己管理ができない社長は、当然、会社がかたむきます。
これも逆にいえば、やるべきことがわかっていない又は管理できていない社長はダメだってことですね。
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