自己資本という言葉の意味を考えてみる
今回の記事は経営に関する用語解説です。
この記事を特に読んでいただきたい方は「自己資本について知らない人」「解説書を読んでも意味が分からなかった人」です。
「自己資本」 ⇒ 「自分の資本」という言葉の意味になります。
資本の意味が分かりにくいので、お金と読み替えてみると「自分のお金」となります。
自己資本とは簡単にいうと、「自分のお金」です。
ここで言う「自分」とは「株主」のことを言います。
「自己資本」 = 「株主のお金」 という意味と考えてください。
※中小企業の場合、ほとんどは会社を始めた社長が株主になっているので、「社長のお金」と読んでも間違いではないのですが、大会社になると大間違いになります。
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銀行の融資審査などで自己資本が最重要視される理由
上記で自己資本は「株主のお金」と言いました。
株主のお金とは、具体的に何を指すのかを説明します。
会社を始める時に、株主が会社に資本を入れます。
その資本金が「株主のお金」です。
そして、社長が株主から出資してもらったお金をもとにビジネスを行います。
そのビジネスを行うことで会社に利益が残ります。
資本金を使って「会社に残った利益」も「株主のお金」になります。
株主のお金(自己資本) = 資本金 + 会社に残った利益(創業時から現在までの累積利益)
自己資本とは、資本金と会社に残った利益を合わせたものを言います。
重要なので重ねて説明します。「会社に残った利益」は短期的なものではなく、創業時から現在までの累積利益を言います。
創業100年の会社だったら、100年分の利益が自己資本を構成するということになります。
自己資本が銀行の融資審査で最重要視される理由は、「会社に残った利益」にあります。
「会社に残った利益」がゼロまたはマイナスの場合、創業時から現在まで累積赤字ということになります。
そんな会社に融資できませんよね。貸したお金が返ってこない可能性が高いので、融資審査の際に最重要視されるのです。
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債務超過ってどんな状態のこと?
債務超過とは、自己資本がマイナスの状態のことを言います。
自己資本 = 資本金 + 会社に残った利益
と説明しましたが、自己資本がマイナスになる状態とは、赤字が資本金を食いつぶした状態を言います。
資本金が100万円の会社を例にとってご説明します。
1、会社に残った赤字が70万円だった場合 ⇒ 自己資本は30万円です。(債務超過ではない)
2、会社に残った赤字が120万円だった場合 ⇒ 自己資本はマイナス20万円です。(債務超過)
資本金を超える累積損失が生じた場合に、債務超過になります。
参考:2期連続赤字で債務超過なのに1億円調達!!テクニカルな資金調達の話
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